たすきがけを利用した因数分解のやり方|練習問題と応用問題あり

にゃんこ
ここでは、たすきがけを利用した因数分解のやり方をわかりやすく解説しています。(こちらの図をていねいに解説します)
たすきがけの説明図

このページの内容
  1. たすきがけによる因数分解のやり方をわかりやすく解説
  2. たすきがけの練習問題
  3. たすきがけを利用した因数分解の応用問題
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たすきがけによる因数分解のやり方をわかりやすく解説

例題: \(6x^{2}+23x+20\) を、たすきがけを利用して因数分解せよ。
にゃんこ
この具体例で手順をご説明します。
手順1:下準備

\(6x^{2}+23x+20\) の式について \(6x^{2}+20+23x\) の順に並びかえます。
たすきがけの下準備また、上の図にあるような筆算の準備になる線を書いておきます。(これで下準備完了!)

手順2:\(6x^{2}\)と20を分解する

\(6x^{2}+20+23x\) の中にある\(6x^{2}\)と20について、因数分解します。

つまり、かけて\(6x^{2}\)になるように、○×○のかたちに分解します。

この説明図では、\(6x^{2}\)を2xと3xに分解しました。

2xと3xはかけて\(6x^{2}\)になりますよね。(こんな感じで分解します)

たすきがけのやり方ステップ2また、20も、かけて20になるよう、ふたつに分解します。

この説明図では、10と2に分解していますね。(かけて20になりますよね。)

にゃんこ
これで、たすきがけのやり方のステップ2は完了です。
手順3:たすきをかけるように斜めに掛け算する

たすきがけのやり方ステップ3さきほど分解した値について、たすきをかけるようにして斜めどうしの値を掛け算します。

たすきがけという呼び名がある理由はココですね。

手順4:掛け算した結果の2つを合計する

たすきがけのやり方ステップ3斜めどうしを掛け算した結果を二つ書き込みましたね。

今度はこの2つを合計します。

この合計の値が、緑の部分になれば、たすきがけ成功です。

この例題の場合だと、23xになれば成功です。
たすきがけのやり方ステップ4

にゃんこ
あ。でも、この説明図では、合計すると34xになってしまいますよ!
23xじゃない!
坂田先生
これだと、たすきがけ失敗ですね。
失敗した場合:たすきがけが成功する組み合わせを探す

たすきがけが上手くいかない場合

手順2:\(6x^{2}\)と20を分解する

の工程で、まちがった分解の仕方をしていた、ということになります。

なので、分解のパターンをかえてみましょう。

にゃんこ
これはどうですか?
たすきがけのやり方ステップ5
坂田先生
OK!うまくいきましたね☆
さっきは、20を10と2に分解していましたが、これを書き直して5と4に分解してみました。

その結果、ななめに掛け合わせた数値の結果も、15xと8xというように違った結果になりました。

15xと8xをたして23xになったので、たすきがけが上手くいきましたね。

手順5:たすきがけによる因数分解を完了する

たすきがけが成功したら、因数分解を完了させます。
たすきがけが成功するパターン
上の説明図にある通り取り出して、因数分解のかたちに並べて完成です。(完)

にゃんこ
【注意】教科書など、多くのテキストではこちらの書き方↓で説明されていることが多くあります。
たすきがけが成功するパターン2
坂田先生
つまり、xの2乗やxといった文字の部分を省略して書いていくやり方です。
にゃんこ
やっていることは同じなので、慣れてきたら、こちらの書き方で解いてみてください。
なぜ、たすきがけで因数分解ができるのか?

こちらの動画にて『たすきがけでなぜ因数分解ができるのか?』の理屈の部分と、たすきがけを利用した因数分解の応用問題も解説しています。

坂田先生
このぺージの後半に掲載してい応用問題の解き方も解説していますので、そのレベルまで練習したい方はぜひご覧ください。
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たすきがけの練習問題

坂田先生
さきほど説明した、たすきがけによる因数分解はこのように解いていきます。
因数分解たすきがけ
因数分解たすきがけ解答

たすきがけを利用した因数分解の応用問題

坂田先生
たすきがけの因数分解の応用問題です。手を動かして練習すると効果的です。
にゃんこ
次の式を因数分解せよ。
  1. \(x^{2}+\left( 2y-3\right) x-\left( 3y^{2}+y-2\right) \)
  2. たすきがけの応用問題xy
    xとyの二次式をたすきがけをするときは、この式の最初の形のように降べきの順に整理します。

    『なんとかxの二乗、なんとかx、なんとか』といった形ですね。

    それからxがついていない部分をたすきがけによって因数分解して、最後に式全体でたすきがけをします。

    この練習問題のように、最初から降べきの順にきれいに整理されている場合はいいのですが、そうでない場合は、次数の低い文字について、降べきの順に揃えるといいでしょう。

    (松山大学:改)

  3. \(x^{2}-2y^{2}-z^{2}+3yz-xy\)
  4. たすきがけの応用問題:広島女学院大学これも先程と同様の手順で因数分解する問題ですが、xについての降べきの順に揃える手間が加わっています。
    (広島女学院大学)
  5. \(4x^{4}-37x^{2}y^{2}+9y^{4}\)
  6. たすきがけの応用問題
    この解法でもいいですが、
    \(x^{2}=X\)
    \(y^{2}=Y\)
    と置いてから、たすきがけをすると、よりわかりやすいかと思います。
  7. \({\small a^{3}b-ab^{3}+b^{3}c-bc^{3}+c^{3}a-ca^{3}}\)
  8. たすきがけの難問
    解く途中で、次数の低い文字bについて降べきに順に整理するところがあります。

    ここはaについての次数が3で、bについての次数が2なので、bについて降べきの順に整理し、因数分解をしています。

    最後にたすきがけをしていますが、このページで最初に紹介した説明図のように、 \(x^{2}\) や \(x\) を省略しないたすきがけのやり方がおすすめです。

    このほうが、他の文字が登場したり、見慣れない形の因数分解をする際に対処しやすくなります。

    (横浜市立大学)

このページの学習『たすきがけのやり方』は以上になります。