

- 高校入試の計算問題の難問|数値だけの計算
- 式の値を求める高校入試の計算問題
- 高校入試の計算問題(平方根バージョン)
- 計算問題の対策として準備しておきたい指数法則
高校入試の計算問題の難問|中学数学
\(624^{2}-623\times 625\)
を計算しなさい。(土浦日本大学高校)

文字を代入する形で式変形をしていきます。
高校入試の計算問題でこのように数値だけの四則演算が出た場合、この問題のように中学3年生で学習する因数分解を使うパターンが非常に多いです。以下に続く問題でその練習をしていきましょう。(もちろんそれ以外のパターンもまれに存在します。)
\(\dfrac{26\times 52+52\times 48+24\times 48}{26\times 52-52\times 48+24\times 48}\)
を計算しなさい。(慶應義塾女子高校)

26の倍が52であり、24の倍が48である点に着目して文字を代入します。
\(2015\times 202-2018\times 205\)
\(-2012\times 199+2016\times 203\)
を計算しなさい。(立教新座高校)

\(\left( a+b\right) ^{2}-\left( a-b\right) ^{2}\) を求め、\(2017\times 2019\) を計算しなさい。
必要なら \(4036^{2}=16289296\) を用いてよい。(巣鴨高校)

\(2025^{2}+2019\times 2020-4039\times 2025\)
を計算しなさい。(大阪教育大付属高校池田校舎)

2019+2020=4039に気が付くかどうかがポイントです。
\(142^{2}+283^{2}+316^{2}\)
\(-117^{2}-158^{2}-284^{2}\)
を計算しなさい。(ラ・サール高校)

解法では、まず最初に、(平方数)-(平方数)の組み合わせを3セット作るべく項の並びをかえています。その際、それぞれの下一桁に注目して、下一桁が2である142と下一桁が8である-158を並ばせています。なぜそのようにするのか、その後の計算を見ていくとわかります。
\(2022\times 2016-2019\times 2018\)
を計算しなさい。(大阪教育大付属高校池田校舎)

2022と2016の真ん中にある数値は何でしょうか?
\(3.14159\times 7.55052\)
\(+2.44948\times 2.23606\)
\(+0.90553\times 2.44948\)
を計算しなさい。(開成高校)

まず式をよく観察してみましょう。どこか同じ数値がないでしょうか。
\(\left( 1-\dfrac{1}{2^{2}}\right) \left( 1-\dfrac{1}{3^{2}}\right) \left( 1-\dfrac{1}{4^{2}}\right)\)
\( \ldots \left( 1-\dfrac{1}{999^{2}}\right)\)
を計算しなさい。(慶應義塾高校)

高校入試|式の値を求める計算問題の難問
\(ab^{2}=30\)のとき
\(-\left( 2ab\right) ^{4}\times 3a^{3}b\div \left( -2a^{2}b\right) ^{3}\)
の値を求めなさい。(洛南高校)

まず\(ab^{2}=30\)が代入できないので、とりあえず式を計算してシンプルにしてみます。
\(x=2015\) 、\(y=2016\) のとき
\(x^{2}-2xy+y^{2}-3x+3y+2\)
の値を求めなさい。(慶應義塾志木高校)
x-y=2015-2016=-1なので、それに気が付き、この解法の途中で代入すれば、さらにスムーズに解けます。

\(\left( a+1\right) \left( b+1\right) =7\) 、
\(\left( a-1\right) \left( b-1\right) =-1\)
のとき、
\(\left( a+2\right) \left( b+2\right) \)
の値を求めなさい。(城北高校)


そのままではなにもできないので、とりあえず展開してから観察すると糸口が見えてきます。あるいは式の形に着目し、別解のように解く手順もありますが、その場合少し難しくなります。
\(x-y=1\)、
\(\left( x+2\right) \left( 2-y\right) =4\)
のとき
\(x^{2}y^{2}-x^{2}y+xy^{2}\)
の値を求めなさい。(立命館高校)

x=0.79、y=0.21のとき
\(\left( x+3y\right) ^{2}-\left( x^{2}+3y^{2}\right)\)
の値を求めなさい。(日本大学第三高校)

xとyの合計が1になるので、x+yの形をつくることを意識して式変形していきます。
a+b+c=0、abc=-3のとき
\(a^{3}\left( b+c\right) ^{2}b^{3}\left( c+a\right) ^{2}c^{3}\left( a+b\right) ^{2}\)
の値を求めなさい。(お茶の水女子大付属高校)

\(x=\dfrac{5}{2}\)のとき
\(\left( x-3\right) \left( x-4\right) \left( x-5\right)\)
\(+\left( x+3\right) \left( x+4\right) \left( x-5\right)\)
\(+\left( x+3\right) \left( x-4\right) \left( x+5\right)\)
\(+\left( x-3\right) \left( x+4\right) \left( x+5\right)\)
の値を求めなさい。(慶應義塾高校)



~学習ポイント~
別解2は気が付けば計算しやすい解法ですが、現実的ではないため『おまけ』として掲載しておきます。また、ここでは『xの2乗に対してxの値を1回だけ代入する計算テクニック』を使っています。※ただし、この技は使わなくても解けます。
\(3x^{2}-15x+7=0\)のとき、
\(3x^{4}-15x^{3}+35x-16\)
の値を求めなさい。(慶應義塾高校)

解説の後半で登場する『分数でくくり出す』変形のところで手間取る場合は、それだけの練習を繰り返して慣れておきましょう。
\(\dfrac{x}{2}=\dfrac{y}{3}=\dfrac{z}{4}\)
のとき
\(\dfrac{x^{2}+y^{2}+z^{2}}{xy+yz+zx}\)
の値を求めなさい。(西大和学園高校)

\(a+b+c+d=4\)、
\(a\left( \dfrac{1}{b}+\dfrac{1}{c}+\dfrac{1}{d}\right)\)
\(+b\left( \dfrac{1}{a}+\dfrac{1}{c}+\dfrac{1}{d}\right)\)
\(+c\left( \dfrac{1}{a}+\dfrac{1}{b}+\dfrac{1}{d}\right) \)
\(+d\left( \dfrac{1}{a}+\dfrac{1}{b}+\dfrac{1}{c}\right)=-14\)
のとき
\(\dfrac{1}{a}+\dfrac{1}{b}+\dfrac{1}{c}+\dfrac{1}{d}\)
の値を求めなさい。(灘高校)


高校入試の計算問題のさらに難問|平方根が登場するバージョン
高校入試の計算問題の難問対策として準備しておきたい指数法則




計算しなさい。
\(\dfrac{\left\{ \left( 1+\sqrt{3}\right) ^{50}\right\} ^{2}\left( 2-\sqrt{3}\right) ^{50}}{2^{50}}\)
(立命館高校)



一度理解できたら、慣れるまで手を動かしましょう。
計算や式変形でまだ慣れない部分があれば、スラスラ解けるようになるまで、手を動かして練習することをおすすめします。(この点は、方程式の文章題の練習方法とは異なります。)

その中でも、数値だけの計算の難問と、式の値を求める問題の2パターンに分け学習しました。
こちら↓でも同様に、平方根ありのバージョンで『計算問題だけのもの』と『式の値を求める問題』の2パターン用意しています。
高校入試の計算問題の難問を仕上げる練習として利用してください。
学習ページ:平方根の計算問題の仕上げとなる難問たち