因数分解の難問・パターン習得編|高校入試・中学数学
因数分解しなさい。
(1) \(\left( 2a-b\right) ^{2}-10a+5b+25\)
※セット版も単品版もあります。
- 文字のない計算(正負の数の計算問題・四則演算)
- 単項式の計算(単項式の乗除)
- 多項式の計算問題の難問
- 式の値(乗法公式なし)
- 因数分解の難問(←このページ)
- 展開や因数分解を使う計算(多項式の計算)
- 工夫で解く計算問題
- 式の値(乗法公式あり)
- 平方根の計算問題の難問
- 式の値(平方根あり)
因数分解の難問・高校入試の過去問編
- \(x^{2}y-xy-156y\)
- \(a^{2}b+1-ab-a^{2}\)
- \(x^{3}+2x^{2}-4x-8\)
- \(9a^{2}-1-4b^{2}+4b\)
- \(\dfrac{x^{2}}{6}-\dfrac{xy}{3}-\dfrac{y^{2}}{2}\)
- \(a^{3}+b^{2}c-a^{2}c-ab^{2}\)
- \(a^{2}+1-b^{2}c^{2}+2a\)
- \(x^{2}y^{2}-4x^{2}-9y^{2}+36\)
- \(6x^{2}+23x-4\)
- \(\left( a+b\right) ^{2}-\left( b+2\right) ^{2}-a+2\)
参考:定数項の大きい因数分解の解き方&たくさんの練習問題
積が-156になり和が-1になる数値の組み合わせは、まず156を素因数分解してから、そのかたちを見ながら考えます。
和より、積の組み合わせから考えたほうが求めやすいです。
もちろんこれも中学数学の因数分解で学習したことを発揮すれば解けるのですが、最初のとっかかりに行き詰まりやすい式になっています。
たすきをかけるようにななめに掛け合わせた数値の合計が緑色になる組み合わせを探します。
公立の中学数学の教科書では学習しませんが、中学数学をこえる範囲の習得が望まれる難関私立の高校入試対策となれば、準備しておきましょう。
したがって、2乗-2乗の形に着目して展開したあとの形を見ながら、因数分解の手立てを探ることになります。
a+2b+2のように項が3つ登場すると難問のように見えるかもしれません。
しかし、中学数学で学習する因数分解の手順にそって変形をしていけば、きれいに解くことができます。
- \(a^{3}+2a^{2}b-4ab^{2}-8b^{3}\)
- \(4a^{2}+4b^{2}-c^{2}-8ab+6c-9\)
- \(12a^{3}-4a^{2}c-75ab^{2}+25b^{2}c\)
- \(2a\left( b+1\right) ^{3}-8a\left( b+1\right)\)
- \(ax+b-1-x+a+bx\)
- \(25\left( x^{2}-1\right)^{2}-16\left( x^{2}+1\right) ^{2}\)
- \(a^{2}+ab-3ac-2b^{2}+3bc\)
- \(\left( x^{2}-4x\right) \left( x^{2}-4x-2\right) -15\)
- \(\left( x-21\right) ^{4}-13\left( x-21\right) ^{2}+36\)
- \(4\left( a+b\right) \left( a-b\right) +c\left( 4b-c\right) \)
- \(a^{2}-3a-2ab+b^{2}+3b-10\)
- \(a^{3}-a\left( b+1\right) ^{2}+ab+b\left( b+1\right) \)
- \({\small \left( x-2\right) \left( x-3\right) \left( x+5\right) \left( x+6\right) -240}\)
- \({\scriptsize xy\left( x^{2}y+x^{2}-x-y-1\right)-x^{2}+y+1}\)
- \({\scriptsize \left( x-6y+3z\right) \left( x+2y-z\right) +5z\left( 4y-z\right) -20y^{2}}\)
よって、何に着目するかがポイントになります。
というのも、展開してから考えようとすると、4次式になってしまうからです。
そこからきれいに因数分解しようとすると非常に難問となります。
以下に次数を減らすか、という置き換えの着眼点が重要な問題です。
項が複数並んだ最初の形から、\(a^{2}-2ab+b^{2}\)の部分に気が付くかどうかが、ひとつのポイントです。
それを因数分解してから、次の手を考えると \(-3a+3b\) のかたまりに目がとまりやすいです。
中学数学の因数分解のテクニックを解こうとする場合、まず解答のように、xの次に続く定数同士の和が同じになるように掛け合わせる組み合わせを選びます。
そうすることで、展開した後の形に共通する部分ができ、別の文字に置き換えて変形を進めることができます。
最後の \(\left( x^{2}+3x-30\right) \) はこれ以上因数分解できないので、このままとなります。
文字の置き換えに注目して因数分解する難問です。似ている形のかたまりに着目してまとめます。
なので、それをひとつのかたまりと見て展開する方針を考えます。
この高校入試問題は、中学数学の因数分解で解くことができる範囲における、屈指の超難問レベルです。
とりあえず式の右半分を展開してみて、因数分解した形を眺めてみましょう。
思考力を問う因数分解の超難問:高校入試編
もちろん文章問題だけあって、思考力を問う問題が多いです。
参考:工夫して解く高校入試の計算問題【難問】
a,b,kを定数とする。
(1)\(a\left( x+2y\right) +b\left( x+3y\right) \)を計算すると\(-x+y\)となる。
a,bを求めよ。
これが次の小問を解くための誘導問題となります。
(2)\(x^{2}+5xy+6y^{2}-x+y+k\)が一次式と一次式の積の形に因数分解できるとき、kの値を求めよ。
また、そのような形に因数分解せよ。
なので、これを利用して問題の式を変形します。
【誘導の気付き方】
まず(1)の式と(2)の式を観察します。
-x+yが(2)の式のなかにありますので、それを(1)で取り上げられた文字式に置き換えます。
そこから、\(x^{2}+5xy+6y^{2}\)を因数分解してみると、変形後の式のなかに(x+2y)と(x+3y)が2か所ずつ登場していることに気が付きます。
そこでそれらをX、Yとおき、完成した式XY-4X+3Y+kという形から、(X+3)(Y-4)を展開した形であるという予想が立ちます。
よって(X+3)(Y-4)を展開した項のなかの定数-12が、すなわちKの値ということになります。