割合について中学数学~高校入試の文章題の練習問題を難問まで解説

割合の基本から難問サムネ

にゃんこ
割合の問題について、中学数学から高校入試で対策が必要となる練習問題を、難易度別に難問まで解説しています。
ここに掲載した問題の効果的な使い方
坂田先生
後半ほど難問です。
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割合について中学数学~高校入試の文章題|基本~標準レベル

仕入れ値と利益に関する割合の問題:基本

仕入れ値が200円の商品Aと仕入れ値が300円の商品Bがある。

商品Bを商品Aより5個多く仕入れた。

商品Aには仕入れ値の40%の利益を見込んで定価を付け、商品Bには仕入れ値の2割の利益を見込んで定価を付けて販売した。

その結果、商品A、Bともに定価で完売し、全体の利益が2400円になった。

仕入れた商品AとBの個数をそれぞれ求めよ。

答え:
仕入れた商品Aの個数は15個
仕入れた商品Bの個数は20個

 
商品Aの個数をa、商品Bの個数をbとおいて考えます。
方程式:仕入れ値と売り上げと利益の問題の解説
売り上げ-仕入れ総額=利益

なので、上のような方程式になります。

また、商品Bの仕入れた数bは商品Aの仕入れた数aよりも5個多いので

a+5=b

となります。

この二つを連立方程式で解いて

a=15
b=20
となり

仕入れた商品Aの個数は15個
仕入れた商品Bの個数は20個

となります。

※中学数学の定期テスト(公立)では、少し難しい問題に部類する難易度かと思います。

土地の面積と割合の問題:標準レベル

正方形の土地の縦の長さを4m長くし、横の長さを25%短くしたところ、その土地の面積が240㎡になった。もとの土地の面積を求めなさい。

土地の面積に関する割合の文章題:解説
にゃんこ
この問題は、方程式を作ったあと、解法の途中にて「中3数学で学習する因数分解のテクニック」が必要になります。
坂田先生
この部分が少し難しいので、慣れない場合は同類の問題を反復練習してください。
安売り販売と見込み利益:標準レベル

原価200円の品物を50個仕入れ、a%の利益を見込んで定価をつけて販売した。10個が売れ残ったので、定価の200円引きで販売したところ完売し、利益は500円であった。
aの値を求めよ。また、最初に見込んでいた利益を求めよ。

売り上げ-仕入れ総額が利益
にゃんこ
表にするとこのように↑なります。
何割の利益を見込んだかの解説

【最初に見込んでいた利益について】

aの値が25なので、25%の利益を見込んで定価を付けたことになります。

なので、仕入れ総額の10000円に対し25%の利益となります。

よって最初に見込んでいた利益は \(10000\times \dfrac{25}{100}=2500\)円となります。

売り上げ-仕入れ総額=利益

という公式を利用した場合は以下の計算になります。(別解)

見込み利益の問題の解説志望校にもよりますが、標準から難問の部類に入る練習問題です。

工場でつくった製品の数と割合の問題

ある工場で、先月は製品Aと製品Bを合わせて49個つくった。今月は製品Aの数を先月の20%増やし、製品Bの数を25%減らしてつくったところ、製品Aと製品Bの総数は先月よりも1個減少した。
今月つくった製品Aと製品Bの数をそれぞれ求めよ。

答え:
今月つくった製品Aの数は30個
今月つくった製品Bの数は18個
にゃんこ
先月つくった製品Aと製品Bの数をそれぞれx、yとおいて考えます。
坂田先生
表にするとこんな感じです。
割合の問題:先月と今月が登場するパターンの解説
xが15
yが24

だと判明しましたが、これは先月つくった製品Aと製品Bの数なので、答えではありません。
ここからさらに計算して今月つくった製品Aと製品Bの数を求めます。

今月つくった製品Aの数は \(25\times \dfrac{120}{100}=30\) 個
今月つくった製品Bの数は \(48-30=18\) 個

入場者数と入場料の問題:標準レベル

美術館への入場料が、小学生は一人300円、中学生は一人400円、高校生は一人500円である。

ある一日の入場者数は、小学生、中学生、高校生合わせて100人であり、それらの入場料の合計は39000円であった。

その一日の小学生の入場者数は高校生の入場者数の \(\dfrac{3}{2}\) 倍であった。

小学生、中学生、高校生それぞれの入場者数を求めよ。

答え:小学生30人、中学生50人、高校生20人

坂田先生
まず、高校生の入場者数をaとおきます。

小学生は小学生の入場者数は高校生の入場者数の \(\dfrac{3}{2}\) 倍なので、小学生の入場者数は\(\dfrac{3}{2}a\) とおけます。

また、その日の入場者数は、小学生、中学生、高校生合わせて100人だったので、中学生の入場者数は

100-(小学生の入場者数+高校生の入場者数)

となります。

そこから入場料についての方程式を完成させると次のようになります。
入場料と入場者数の問題の解説
aの値が20ということは高校生の入場者数が20人であったということです。

その\(\dfrac{3}{2}\) 倍が小学生の入場者数なので、小学生の入場者数は30人ということになります。

小学生と高校生の入場者数の合計は50人ですので、残りの50人が中学生の入場者数になります。

にゃんこ
このように見たことがない割合の問題であったり、難問だったとしても、方程式を作る手順は同じです。
坂田先生
まずは表を書き込みながら、わかる部分や文字式で表現できる部分を埋めていき、そのあとその表を見ながら立式を考えましょう。

 

割合について中学数学~高校入試の文章題|難問

生産量に関する割合の問題:やや難問

A社とB社は同じ商品を生産している。
A社の昨年の生産量は一昨年の生産量から25%減少し、今年の生産量は去年の生産量から33%増加した。
B社の昨年の生産量は一昨年の生産量からa%増加し、今年の生産量は去年の生産量からa%減少した。
両社の一昨年の生産量は等しい。
また、両社の今年の生産量も等しい。
aの値を求めよ。
ただし生産量は0ではなく、a>0とする。

一昨年と去年と今年の割合の問題修正版
にゃんこ
3年間にわたる表をつくる必要がある、典型的な割合の難問です。
坂田先生
『生産量が等しい年』に注目して方程式を作ることができます。
割合を使った昨年と今年の人数の文章題:難問

ある中学校では、今年度は昨年度に比べて男子が8%増え、女子が5%増えて学校全体で生徒数が28人増えた。
また、昨年度は男子の56%と女子の54%部活動に入っており、学校全体で部活動に入っている生徒の方が、部活動に入っていない生徒より43人多かった。
このとき、昨年度の男子生徒数をx人、昨年度の女子生徒数をy人として、人数についての連立方程式を作ると

\(\begin{cases}\dfrac{ア}{100}x+\dfrac{イ}{100}y=28\\
\dfrac{ウエ}{100}x+\dfrac{オ}{100}y=43\end{cases}\)

となる。

ア~オを求めよ。

また、今年度の男子生徒数と女子生徒数を求めよ。

割合の問題の難問解説
坂田先生
ここで難しいポイントは、連立方程式を作ったあとで、解答にそった式のかたちに変形する必要があるということです。

その結果

アは8
イは5
ウエは12
エは8

となります。

にゃんこ
そのあと、連立方程式を解いてxとyの値を求めますが、これはまだ今年の男子と女子の人数ではありません。
坂田先生
xとyの値は、去年の男子と女子の人数のことなので、そこからさらに計算して、今年の男子と女子を求めて完了です。
割合の問題の難問解説2
坂田先生
すべて中学数学の範囲で解くことができる割合の問題ですが、立式が少し複雑であるということと、式変形が必要な問題なため、難問とさせていただきました。
(明訓高校)
坂田先生
以上、中学数学から高校入試で対策が必要となる割合の問題を、難問まで解説と一緒にご紹介しました。
にゃんこ
練習問題として活用してください☆