高校入試の緊張感もないことから、ほとんど勉強しないで中だるみ気味になっています。どうすればいいでしょうか。
- 中高一貫校で勉強しないで落ちこぼれ候補になる3つの理由
- 中高一貫生の中だるみ対策【コツはやる気に頼らないこと】
中高一貫校で勉強しないで落ちこぼれ候補になる3つの理由
中学受験で燃え尽きた。緊張の糸が切れた
高校入試の心配のない学校に入ったとたんに、気がゆるんでしまうのは当然と言えば当然の話です。
これはそもそも『中高一貫校に入ること』が目標になっていたことが原因である可能性が高いです。
これは、高校入試や大学入試にも言えることです。
合格自体を目標に掲げるのは悪くありませんが、それだけを目標にしてしまうと、その先に目指すものがなくなってしまいます。
それがお子様本人のなかで納得できていないと、やる気が燃え尽きたかのようになってもおかしくはありません。
中学受験で勉強が嫌いになってしまった
昔、すっかり勉強が嫌いになってしまった中高一貫校生を担当させてもらった経験があります。
小学生の低学年の頃から、塾と家庭教師で勉強漬けの毎日で、本人曰く
‥だそうです。
その結果、中学受験に合格後はまったく勉強しなくなり、出席日数もあやうい状態となっていました。
けれども僕が教えている以外の時間は、自学自習をまったくと言っていいほどしませんでした。
本人が自分のこととして自分でその道を選んでいたとしたら、それはとてもすばらしいことだと思います。
けれどもその子の場合はそうではありませんでした。
中高一貫校の授業ペースについていけず、勉強がしんどくなった
なので勉強時間をちゃんと確保して、復習していかないと授業についていけなくなります。(特に英語と数学)
そもそも、公立小学校の授業では復習はそこまで重要ではありませんでした。
例えば算数は、授業で理解できない部分があったとしても、範囲そのものは多くなかったので、後で質問するなりして解消しておくこともできました。
けれども中高一貫校の数学となると、範囲そのものが広い上に、授業を聞いて理解できただけでは不十分です。
なぜなら、問題を解ききるまでの手順が複雑なものが多いので、『授業を聞いてわかったら、その解答手順を実際に手を動かして再現できるかどうか』のトレーニングが必要になってくるからです。
小学校の算数では、範囲も広くなく、解答手順もそこまで複雑ではなかったので、『授業内の練習』だけでもある程度カバーできていました。
しかし、それと同じ感覚で授業を受けてしまって、定着のための復習をおろそかにしてしまうと、定期テストで結果が出しづらくなります。
中高一貫生の中だるみ対策【コツはやる気に頼らないこと】
正直申しますと、将来の目標のために学歴が重要でないのなら、今回のお話はそこまで大きな問題ではないと思っています。
ただ、部活や勉強などを通して何かに一生懸命になる練習を経験できていた人間は、夢や目標が見つかったときに頑張れる可能性が高いです。
よって、今打ち込んでいるものがあるのなら、そちらを頑張ったって一向にかまわないと思います。
ただ、夢がないならあればとりあえず勉強ぐらいがんばっておいたら?とは個人的に思うところです。
自分以外の環境の力をかりる
そもそも、勉強はやる気があるから勉強する、性質のものではありません。
努力の効果が見えたことでモチベーションが上がり勉強したくなる、ものです。
なのでポイントは、自分以外の環境の力で解決しようとすること。
そして、やる気を出すことで解決しようとしないこと。
この2つです。
例えば、第三者によるスケジュールのチェックをしてもらうなどは突破口として効果的だと思います。
大人になってからもこの自己管理の技術は重宝されていて、ライザップなどはまさにその典型です。
これが自分一人のちからで管理できる状態であれば言うことはないのですが、できない場合は外からの力を借りるのが良いでしょう。
家庭教師やコーチングなどの『人』に頼むというのも一つの方法ですし、自習室に通うというように『空間』を利用するのも、またいいと思います。
努力の結果を最大化するための工夫をする
それが次の3つです。
例えば定期テスト範囲の問題を、どの難易度もまんべんなく対策しておこうとすると、圧倒的に勉強時間がたりなくなります。例えば僕の場合、数学の定期テスト対策では『体系数学の例題と練習問題』に1番高い優先順位をつけています。2番目は小テストで出た範囲の基礎の問題です。それ以降は各学校の出題傾向に合わせて出そうなところを解いてもらっています。
基本的に学校の授業で使用した教科書と、提出物の問題集以外にも手をつけることはしないほうがいいです。お子様はそのとほうもない物量を前にして、やる気がますます萎えるだけです。これも先程と同じ、優先順位の話になります。
これは特に、独学の難しい数学や、数学以外の計算問題などで効果的な方法です。中高一貫校で使用する体系数学のテキストは、幅広い内容にもかかわらず、冊子ゆえのページ制限があります。そのため、解説の部分がある程度省略されています。
なので、解説を読んでもその部分がサッパリわからない、ということが多発してしまいます。授業を聞いても解説を読んでもわからなかった場合、できるだけ時間をかけずに『わかる人に質問する』ことをおすすめします。もしすぐに解決できない状況であれば、とりあえず『わかった問題だけ繰り返し解いて、すべてスラスラ解ける状態をともかくつくる』ことを優先してください。スラスラ解ける問題が増えると、理解できる範囲も増えてきます。
中高一貫校の数学定期テストと小テストで点数1ケタ台だった子が平均点をこえた時も、今回の内容をおさえていました。