反比例の変化の割合の求め方|公式による裏技も解説

反比例の変化の割合の求め方サムネ

坂田先生
ここでは、公式による裏技を使った反比例の変化の割合の求め方と、その公式の解説をていねいにしています。
にゃんこ
もちろん公式を使わない求め方の解説もあります。
このページの内容
  1. 公式を使わないで反比例の変化の割合を求める方法
  2. 反比例の変化の割合の公式を作ってみる
  3. 反比例の変化の割合の公式を使わないほうがいい理由
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公式を使わないで反比例の変化の割合を求める方法

坂田先生
では実際に、反比例の変化の割合を求める方法(公式を使わない版)を解説します。
例題
yはxに反比例し、yをxの式で表すと \(y=\dfrac{12}{x}\) となる。
xの値が3から12まで増加するとき、変化の割合を求めなさい。

坂田先生
はい。求め方はざっとこうです。
反比例の変化の割合の求め方
にゃんこ
では、一つひとつ見ていきます。
反比例の変化の割合の求め方
1:xの値が3のとき、yの値は4となる。また、xの値が12のとき、yの値は1となる。(反比例の式のxに3や12を代入すれば、そのときのyの値が求められます。)

2:xは3から12までは9増えているので、xの増加量(xがどれだけ増えたかという値)は9となる。

3:yの増加量の求め方は、xの増加量の求め方と同じ順番で引き算をする。
つまり、12-3をしたので、それに対応する1-4をする。(4-1ではないということ)

xが12のときのyの値は1だったので、1を最初にもってくる、ということです。

ここは、どっちからどっちを引くべきか、意味を考えるとややこしくなるので、xの増加量を求めたときの引き算の順番をマネするだけでOKです。

4:xの増加量が9で、yの増加量が-3だと判明した。

5:変化の割合の求め方は \(\dfrac{yの増加量}{xの増加量}\) なので、 \(\dfrac{9}{-3}=-3\) と判明した。

反比例の変化の割合の公式を作ってみる

坂田先生
それではここから、反比例の変化の割合の公式について、その作り方から紹介しておきます。
にゃんこ
ここで説明する考え方が身に付けば、様々な応用問題に役立ちます。
坂田先生
なので、途中で難しいところがあっても「そんな方法があるのか~」と思いながら、流し読みしてください。(完全に理解できなくてもいいです)
にゃんこ
さっき解いた問題の手順を、もっと丁寧に書くとこうなります。
yはxに反比例し、yをxの式で表すと \(y=\dfrac{12}{x}\) となる。
xの値が3から12まで増加するとき、変化の割合を求めなさい。
反比例の変化の割合を求める公式の準備2

さっきの説明では、9と書いていたところが、ここでは12-3と書いていたりしますね。

つまり、12-3を9と書いてしまわないことで、最初の問題文にあった数「3」と「12」が、どう計算されていったのかがわかるようになっています。

さっきは4と書いていたところが、 ここでは\(\dfrac{12}{3}\) と書いてあったり、1と書いていたところが、 ここでは\(\dfrac{12}{12}\) と書いてあったりしますね。

こうやって書くことで、どうやって変化の割合を求めたのかの計算手順がわかるようになっているのです。

そして一番下にある

xの増加量÷yの増加量= \(\left( \dfrac{12}{12}-\dfrac{12}{3}\right) \div \left( 12-3\right) \)

の部分が公式となる部分です。

もう一度見てください。
反比例の変化の割合を求める公式の準備2

xの値が3から12まで増加したとき、変化の割合を求めよ。
という問題文にあったのが、
赤い数字の3
赤い数字の12

にあたります。

なので、もしも

\(y=\dfrac{12}{x}\) において
xの値が△から□まで増加するとき、変化の割合を求めなさい。

という問題があったら、さっきの赤色の3のところに△を代入し、赤色の12のところに□を代入します。

その場合の変化の割合は、このようになります。(途中の計算でややこしい部分がありますが、わからない場合はとばして大丈夫です。)

変化の割合を求める公式の準備3
坂田先生
これが公式の作り方の考え方です。

あとは、「\(y=\dfrac{12}{x}\) において」という部分を「\(y=\dfrac{a}{x}\) において」としてやると、さっきの計算はこうなりますね。

反比例の変化の割合の公式の過程3

以上の流れを復習するとこうなります。(難しく感じてもざっと眺めるだけでOKです)

反比例の変化の割合の公式の過程1反比例の変化の割合の公式の過程3
坂田先生
では最後に、完成した公式をまとめておきます。
反比例の変化の割合の公式

反比例\(y=\dfrac{a}{x}\)における

xの値が△から□まで増加するときの変化の割合の公式は

変化の割合= \(-\dfrac{a}{□△}\) となる。

坂田先生
これで以上です。ただし重要な注意点があります。

反比例の変化の割合の公式を使わないほうがいい理由

坂田先生
反比例の問題を解く実力をUPしたいなら、最初からいきなり公式を使わないことをおすすめします。
にゃんこ
理由は、意味がわからずこれだけ使っていると、応用が利きづらいからです。
坂田先生
さっきの公式は、例えば、こんな応用問題に対応できません。
反比例\(y=\dfrac{12}{x}\)において
yの値が12から4まで減少するときの変化の割合を求めよ。
反比例\(y=\dfrac{a}{x}\)において
xの値が1から5まで増加するとき、変化の割合は3になる。定数aの値を求めよ。
坂田先生
反比例の変化の割合について学習したての頃は、できればグラフを書いて求めることをおすすめします。
にゃんこ
xの増加量とyの増加量を書き込んで計算することがスラスラできるようになってから、もしも「手間だなあ」と感じたら採用してもいいでしょう。
坂田先生
ただし、先程のような変化球の問題が登場したら、やはり基本の解き方「グラフを書いて観察する」という方法をとることになります。
にゃんこ
その力を養っておくのがベストです。(公式を使うと養えません)