時計の長針と短針の角度を求める高校入試問題|基本から応用の過去問まで

高校入試時計の問題サムネ

にゃんこ
このページでは、時計の長針と短針の角度を求める高校入試問題の各パターンについて基本から応用まで学習できます。
坂田先生
公式など暗記事項はないですが、以下の内容を暗記しておくとスムーズに解くことができます。
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短針と長針が1分で進む角度

アナログ時計の針の向きは、0時00分の時の状態から

・長針は1分で6度進む。

・短針は1分で0.5度進む。

※次の問題(1)~(3)の解説にあるように暗記していなくても導くことができますが、暗記しておくと問題を解く際の時間短縮になります。

にゃんこ
以下の問題を順番に解いておくことで、知識ゼロの状態から応用レベルまで対応できるようになっています。

時計の長針と短針の速さと角度の問題|中学数学~高校入試

アナログ時計の時刻を示す針(短針と長針)の向きについて、次の問いに答えよ。

12時26分の状態
(1)短針は1時間に何度進むか。
答え:30°

短針は、24時間で2周します。(午前で1周、午後で1周)

つまり、12時間で1周(360°)します。

1時間は12時間の12分の1なので、360°の12分の1だけ進むということです。

計算すると、1時間で30°ということがわかります。

ヒント:暗記していなくても、知っている知識(短針は午前で1周、午後で1周する)から求めることができます。
(2)短針は1分に何度進むか。
答え:0.5°

1時間(60分)で30°進むということは、

1分はその60分の1の時間なので、30°の60分の1だけ進むということになります。

計算すると0.5°となります。

ヒント:(1)の結果を利用します。暗記していなくても求めることができます。
(3)長針は1分に何度進むか。
答え:30°
長針は60分で360°(1時間で1周)進みます。

1分はその60分の1なので、360°の60分の1進むことになります。

よって、360°を60で割り、1分で30°進むのだとわかります。

ヒント:長針は1時間でちょうど1周する、という知識を使います。
(4)短針の進む速さと、長針の進む速さを整数の比で表せ。
答え:1:12
短針が12時間で1周する間に、長針は12周(1時間ごとに1周)します。

なので、長針の進む速さは、短針の進む速さの12倍となります。

ヒント:短針は12時間で1周、長針は1時間で1周します。
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時計の長針と短針がつくる角度の問題|中学数学~高校入試

(5)12時26分の短針は、12時の状態から何度進んだ向きにあるか。
12時26分の状態

答え:13°

短針の角度13度
短針は1分に0.5°回転するので、26分では13°回転する。

(6)12時26分の長針は、12時の状態から何度進んだ向きにあるか。
12時26分の状態
答え:156°

長針の角度156度
長針は1分に6°回転するので、26分では156°回転する。

(7)12時26分の長針と短針のなす角度を求めよ。
12時26分の状態
答え:143°
短針と長針の角度143度

長針の方が先行しているので、12時の位置から長針の進んだ分の角度-12時の位置から短針の進んだ分の角度が求める角度となります。

156°-13°=143°

過去問で実践
アナログ時計の長針と短針が3時28分の位置を指している。
この長針と短針でできる角度a(a≦180)を求めよ。
長針と短針の角度を求める問題
答え:64°
長針と短針の問題
坂田先生
基本はここまでで、ここから少し応用問題に進んでいきます。
(8-1)【A】と【B】に入る等式を答えよ。

3時x分において長針と短針のなす角度が60°になるときのxの値について考える。

長針が12時の向きから3時x分の向きと比べて右回りに進んだ分の角度をa
短針が12時の向きから3時x分の向きと比べて右回りに進んだ分の角度をb
とする。

3時ちょうどの時、長針は12時の向きを指していたので、そこから3時x分までのx分間の移動で、長針が12時の向きからどれだけ回転したかを考えればいい。

長針は1分につき6°右回転するのでx分で6x°右回転する。

よって、aをxの式で表すと【A】

また、12時ちょうどの時から3時x分までは、180+x(分)ある。

12時ちょうどの時、短針は12時の向きを指していたのでそこから3時x分までの180+x(分)の間の移動で、短針が12時の向きからどれだけ回転したかを考えればいい。

短針は1分につき0.5°右回転するので、180分(3時間)で90°右回転し、x分で0.5x°右回転する。

よって、bをxの式で表すと【B】

答え: \(a=6x\)
答え: \(b=90+0.5x\)
(8-2)3時x分において、長針と短針のなす角度が60°のときxの値を求めよ。ただし、長針が12時の向きから進んだ分の角度よりも、短針が12時の向きから進んだ分の角度のほうが小さいものとする。
答え:x=27
長針が12時の向きから進んだ分の角度−短針が12時の向きから進んだ分の角度=60°

よって

\(a-b=60\)

\(6x-\left( 90+0.5x\right) =60\)

これを解き、 \(x=27\)

(8-3)3時x分において、長針と短針のなす角度が60°のときxの値を求めよ。ただし、長針が12時の向きから進んだ分の角度よりも、短針が12時の向きから進んだ分の角度のほうが大きいものとし、答えは帯分数で答えよ。
答え: \(x=5\dfrac{8}{11}\)
短針が12時の向きから進んだ分の角度−長針が12時の向きから進んだ分の角度=60°

よって

\(b-a=60\)

\(\left( 90+0.5x\right) -6x\)

これを解き、 \(x=\dfrac{315}{55}=5\dfrac{40}{55}=5\dfrac{8}{11}\)

(9)2時y分において、長針と短針のなす角度が60°のときyの値を求めよ。

答え: \(y=21\dfrac{9}{11}\) 、\(y=0\)
2時y分において、長針が12時の向きから進んだ分の角度は6y°

2時y分において、短針が12時の向きから進んだ分の角度は60°+0.5y°

長針が12時の向きから進んだ分の角度よりも、短針が12時の向きから進んだ分の角度のほうが小さい時

長針が12時の向きから進んだ分の角度−短針が12時の向きから進んだ分の角度=60°となる。

よって

\(6y-\left( 60+0.5y\right) =60\)

\(y=\dfrac{1200}{55}=\dfrac{240}{11}=21\dfrac{9}{11}\)

長針が12時の向きから進んだ分の角度よりも、短針が12時の向きから進んだ分の角度のほうが大きい時

短針が12時の向きから進んだ分の角度−長針が12時の向きから進んだ分の角度=60°となる

よって

\(\left( 60+0.5y\right) -6y=60\)

\(y=0\)

したがって、 \(y=21\dfrac{9}{11}\) 、\(y=0\)

(10)3時に最も近い時刻で、長針と短針のなす角度が60°となる時刻を求めよ。

答え:3時\(5\dfrac{8}{11}\)分
\(5\dfrac{8}{11}\)<27

なので

3時台においては、3時\(5\dfrac{8}{11}\)分が3時に最も近い時刻である。

5<\(5\dfrac{8}{11}\)<6なので

3時の6分前である2時54分から3時0分の間に、長針と短針のなす角度が60°となることがない場合、3時に最も近い時刻で長針と短針のなす角度が60°となる時刻は3時\(5\dfrac{8}{11}\)分となる。

2時54分から3時0分の間に、長針と短針のなす角度が60°となる時刻はない。

よって答えは、3時\(5\dfrac{8}{11}\)分

(11)0時00分からa時b分までに長針と短針が進んだ角度をそれぞれaとbを用いて表せ。

答え:長針は6b°、短針は\(30a+\dfrac{b}{2}\) 度
1時間で長針は360°進むので、0時00分からちょうどa時間後、針の向きは同じままである。
1分で長針は6°進むので、b分では6b°進む。
よって0時00分からa時b分までに長針は6b°進む。

a時間b分は60a+b(分)である。

1分で短針は0.5°進むので、60a+b(分)では

\(\left( 60a+b\right) \times 0.5\)

\(=30a+\dfrac{b}{2}\) 度進む。

よって、0時00分からa時b分までに短針は\(30a+\dfrac{b}{2}\) 度進む。

(12)0時00分から3時間x分が経過する間に短針が回る角度をy°とするとき、yをxの式で表せ。

答え:\(y=0.5x+90\)
1分で0.5度回る短針は、3時間、すなわち180分で \(180\times 0.5=90\) 度回る。

x分では0.5x°回る。

よって、0時00分から3時間x分が経過する間に短針は0.5x+90(度)回る。

したがって \(y=0.5x+90\)

(13-1)図のように、点Pは午前3時ちょうどに文字盤の9の位置から出発し、長針の進む半分の速さで、反時計回りに時計盤の周りを回るものとする。

時計の問題応用編

長針の先端をA、短針の先端をBとし、文字盤の中心を点Oとする。

午前3時x分における∠AOPの大きさをxで表せ。ただし、文字盤の12時の位置から右回りにA、Pと並ぶものとする。

答え:270−3x(度)

長針が、文字盤の12時の位置から右回りに回転した角度をxで表すと

午前3時x分においては6x°となる。

線分OPが、文字盤の12時の位置から右回りに回転した角度をxで表すと

午前3時においては270°

それから線分OPは点Oを中心に、長針の進む速さの半分、すなわち1分ごとに3°進む速さで半時計回りに回転するので

午前3時x分においては(270−3x)°となる。

文字盤の12時の位置から右回りにA、Pと並ぶので

270−3x>6x

よって、∠AOPは

\(\left( 270-3x\right) -6x\)

= \(270-9x\)

(13-2)午前3時x分における∠AOBの大きさをxで表せ。ただし、文字盤の12時の位置から右回りにB、Aと並ぶものとする。

答え:\(5.5x-90\)(度)

長針が、文字盤の12時の位置から右回りに回転した角度をxで表すと

午前3時x分においては6x°となる。

短針が、文字盤の12時の位置から右回りに回転した角度をxで表すと

短針は1時間に30°右回転するので

午前3時においては3×30°=90°

そこからさらに1分につき0.5°右回転するので、

午前3時x分においては(\(90+0.5x\) )°となる。

文字盤の12時の位置から右回りにB、Aと並ぶので

\(6x\) > \(90+0.5x\)

よって、∠AOBは

\(6x-\left( 90+0.5x\right) \)

= \(5.5x-90\)

(13-3)次の2つの条件を満たす時刻を答えよ。ただし答えは帯分数で答えよ。

条件1:∠AOP=∠AOBとなる。

条件2:文字盤の12時の位置から右回りに、B、A、Pと並ぶ。

答え:3時 \(24\dfrac{24}{29}分\)
∠AOP= \(270-9x\)

∠AOB= \(5.5x-90\)

条件より、∠AOP=∠AOBなので

\(270-9x\) = \(5.5x-90\)

これを解き

\(x=\dfrac{720}{29}=24\dfrac{24}{29}\)

よって3時 \(24\dfrac{24}{29}\) 分が求める時刻となり、この時、文字盤の12時の位置から右回りに、B、A、Pと並ぶ。。

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時計の長針と短針の角度がテーマの高校入試の過去問

坂田先生
こちらは上記で練習した問題の解き方をそのまま使って解ける過去問です。
にゃんこ
これまでの問題を解ける状態であればスラスラ解ける問題なので、問題が難しい場合の復習方法を説明しています。
2時6分の短針と長針の角の大きさを求めよ。
27°
この問題が難しい場合、(1)~(7)の問題を復習してください。
(A)2時間x分が経過する間に短針が回る角度をy°とするとき、yをxを用いて表せ。
\(y=60+\dfrac{x}{2}\) (\(y=60+0.5x\)でもよい。)

(12)の問題が同じパターンです。

(B)点Pは午後2時ちょうどに文字盤の9の位置を出発して、次の条件を満たしながら時計の周上を回る。

条件1:回る向きは針の回る向きと逆向きである。

条件2:回る速さは長針の回る速さの半分である。

長針と短針と線分OPが、はじめてこの順に等しい角度の間隔で並ぶのは午後2時何分か求めよ。ただし答えは帯分数の形で答えること。

午後2時\(22\dfrac{22}{29}\)分

(13-1)~(13-3)までが同じパターンの問題です。
3時に最も近い時刻で、長針と短針の間の角度が123°になる時刻を求めよ。
2時54分
(8-1)~(10)までが同じパターンの問題です。