乗法公式による展開の応用問題&難問|中学数学~高校入試

展開の応用難問

にゃんこ
ここは、中学3年生に学習する数学の単元『乗法公式を使った展開』応用問題や難問を勉強できるページです。
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坂田先生
展開の難問について以下の4種類の応用(計20題)を学習できます。
このページの学習内容
  1. 展開の応用問題(難問)同符号異符号に着目するパターン
  2. 様々なパターンの展開の難問
  3. 係数を求める展開の応用問題|3項の式と3項の式の乗法
  4. 係数を求める展開の応用問題|表にできないパターン
展開の応用問題(難問)20題一覧
展開難問の一覧
にゃんこ
この問題&解答をプリントアウトしておきたい方は20問目の最後をご覧ください。
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展開の応用問題(難問)同符号異符号に着目するパターン

同符号異符号探しパターン1

(1) \(\left( 1+2a-3b\right) \left( 1-2a+3b\right) \) を展開せよ。

答え: \(-4a^{2}-9b^{2}+12ab+1\)
展開の難問01解説
~ポイント~
解説の部分にある通りのかたちにすることで (1)から(6)までは、同じような式変形が可能です。積となるそれぞれの式をチェックして、各項の絶対値の部分が同じであれば、このパターンかもと疑うとよいでしょう。←この説明の意味がわからなくても大丈夫です。とりあえず(1)から(6)までの解説の部分(特に同符号・異符号と書かれたあたりの式変形)をそれぞれ見比べてみてください。
同符号異符号探しパターン2

(2) \(\left( 1-2a+3b\right) \left( 1+2a+3b\right) \)を展開せよ。

答え: \(-4a^{2}+9b^{2}+6b+1\)
展開の難問02解説
~ポイント~
左の方にある\(1+3b\) の部分と、右の方にある\(1+3b\) の部分は、\(1\)も\(3b\)もそれぞれ同符号ですよね。それに対して、左の方にある\(-2a\) の部分と、右の方にある\(+2a\) の部分は、異符号になっています。
(同符号 異符号) (同符号 異符号)
と書いてあるのはそういう意味です。
そのような並びになるように、最初の変形をしています。
同符号異符号探しパターン3

(3) \(\left( a-b+c-d\right) \left( a+b+c-d\right) \) を展開せよ。

答え: \(a^{2}-b^{2}+c^{2}+d^{2}+2ac-2ad-2cd\)
展開の難問03解説
~ポイント~
左の方にある\(-b\) の部分と、右の方にある\(+b\) の部分は、異符号になっています。それ以外の、\(a\) 、\(c\) 、\(-d\) の部分は左の方と右の方を見比べてみると、それぞれ同符号ですね。
同符号異符号探しパターン4

(4) \(\left( a-b+c-d\right) \left( a+b+c+d\right) \) を展開せよ。

答え: \(a^{2}-b^{2}+c^{2}-d^{2}+2ac-2bd\)
展開の難問04解説
同符号異符号探しパターン5

(5) \(\left( a+b-c+d\right) \left( a-b+c+d\right) \) を展開せよ。

答え: \(a^{2}-b^{2}-c^{2}+d^{2}+2ad+2bc\)
展開の難問05解説
2カ所で同符号異符号探し

(6) 次の式を簡単にせよ。
展開の難問6問目

答え: \(-4xz\)
展開の難問06解説
~ポイント~
これまで(2)~(5)を解くときに最初に行っていた、「同符号異符号の組み合わせ探し」を左右の項で別々におこない、並び替える操作が必要になります。(言葉にするとややこしいですが、解説を見れば一目瞭然です)

様々なパターンの展開の難問

指数法則でまとめる問題1

(7) \(\left( x-2\right) ^{2}\left( x+2\right) ^{2}\left( x^{2}+4\right) ^{2}\) を展開せよ。

答え: \(x^{8}-32x^{4}+256\)
展開の難問07解説
~ポイント~
最初の変形の際、指数法則でまとめるとその後が楽になります。
指数法則でまとめる問題2

(8) \(\left( 3a+\dfrac{1}{3}b\right) ^{2}\left( 3a-\dfrac{1}{3}b\right) ^{2}\) を展開せよ。

答え: \(81a^{4}-2a^{2}b^{2}+\dfrac{1}{81}b^{4}\)
展開の難問08解説
~ポイント~
これも先程の問題と同じ要領で変形していきます。
オーソドックスな展開の難問1

(9) \({\small \left( -2x+3y\right) \left( -2x-3y\right) \left( -4x^{2}-9y^{2}\right)} \) を展開せよ。

答え: \(-16x^{4}+81y^{4}\)
展開の難問09解説
~ポイント~
後半、指数の部分がややこしく見えるかもしれませんが、乗法公式による展開をそのまま使っています。
オーソドックスな展開の難問2

(10) \(\left( b+a\right) \left( a-b\right) \left( a-c\right) \left( c+a\right) \) を展開せよ。

答え: \(a^{4}-a^{2}b^{2}-a^{2}c^{2}+b^{2}c^{2}\)
展開の難問10解説
展開の難問10解説別解「解説」の星マークのところに続きます。
~ポイント~
別解(おまけ)では、かなり回りくどい式変形をしていますが、問題によっては、知っていると便利な場合があります。難関私立を受験される中学生は知っておいても良いでしょう。
どこから手をつければ計算が楽か?

(11) \(a\left( b+c\right) \left( a-b-c\right) \) を展開せよ。

答え: \(a^{2}b-ab^{2}+a^{2}c-ac^{2}-2abc\)
展開の難問11解説
展開の難問11解説別解
~ポイント~
\(\left( b+c\right) \left( a-b-c\right) \)の部分がそこまで複雑な形ではないので、解説では、まずその部分だけ展開をしてから、それにaをかける方法をとっています。
別解では、\(b+c=X\) と置き換えられるよう変形しています。
とりあえずできることをしてみる問題

(12) \(\left( b+3a\right) \left\{ \left( 3a\right) ^{2}+b^{2}\right\} \left( 6a-2b\right) \) を展開せよ。

答え: \(162a^{4}-2b^{4}\)
展開の難問12解説
~ポイント~
\(6a-2b\) をとりあえず2でくくり出してみようとすることが重要です。その結果の式を眺めながら考えると、突破口を見つけ出しやすいです。
同じ部分を作り出す問題

次の式を簡単にせよ。
(13) \({\small \left( -a-2b+3c\right) ^{2}-\left( a+2b\right) \left( a+2b-6c\right)} \)

答え: \(9c^{2}\)
展開の難問13解説
~ポイント~
\(a+2b\) の部分が2カ所あるので、それに似た\(-a-2b\)の部分を変形し、\(a+2b\)を作り出せないかと発想します。もし\(a+2b\)を作り出せたなら、その部分をなにかしらの文字に置き換えてみよう、という次の手が浮かぶとさらに良いでしょう。
まず共通因数でくくり出す展開の難問

(14) \(-\left( 1+a^{2}b^{2}\right) \left( ab^{2}+b\right) \left( a-a^{2}b\right) \) を展開せよ。

答え: \(a^{5}b^{5}-ab\)
展開の難問14解説
~ポイント~
同じ形を作り出すために、最初の工程として、共通因数でくくり出すということをしています。難問です。
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係数を求める展開の応用問題|3項の式と3項の式の乗法

係数を求める展開の応用問題1

(15) \(\left( 3x^{2}+5x+1\right) \left( x^{2}+2x+2\right) \) を展開したときの \(x^{3}\) の係数を求めよ。

答え: \(11\)
展開の難問15解説
展開の難問15解説別解
~ポイント~
項が3つある多項式と多項式の乗法は、展開したときに9つの項が表れます。解法にあるように、表にして考えると整理しやすいです。
係数を求める展開の応用問題2(難問)

(16) \(\left( 3x^{2}+2x+1\right) \left( x^{2}-ax+2b\right) \) を展開すると \(3x^{4}+cx^{3}-12x^{2}-7x+d\) となる。
このとき \(c\) 、\(d\) の値をそれぞれ求めよ。ただし、\(a\) 、\(b\) 、\(c\) 、\(d\) は定数である。

答え: \(c=-13\)、\(d=-1\)
展開の難問16解説1

展開の難問16解説2

~ポイント~
展開してできる項を把握しやすいよう、解説にあるように、表にして考えていきます。

係数を求める展開の応用問題|表にできないパターン

坂田先生
(15)、(16)では、展開してできる項を一度に把握できる表を作ること可能でしたが、ここからは、その作成が難しいパターンの問題を特訓します。
係数を求める展開の応用問題3

(17) \(\left( 1+x\right) \left( 2+2x\right) \left( 3+3x\right) \) を展開したときの \(x\) の係数を求めよ。

答え: \(18\)
展開の難問17解説
~ポイント~
(解説にある説明図を見てください。)

展開後にできる各項を求めるために「掛け合わされる3つの式の各項から、それぞれ項を1つずつ選んで掛け合わせてゆく」ということをします。

この方法により、展開後は全部で2×2×2=8つの項ができるということがわかります。(ただし同類項を整理する前の項の数としてですが)

ただしこの問題の解説では③までの3通りしか計算していません。

なぜなら「掛け合わされる3つの式の各項から、それぞれ項を1つずつ選んで掛け合わせてゆく」ことで、\(x\)の項ができる部分だけを計算したかったからです。

次の(18)では、与えられた式は同じまま、「\(x^{2}\) の係数を求めよ」と、問いだけを変更しています。

その解説部分と見比べてみてください。同じく3通り計算していますが、書け合わせるために選んだ項が、この問題の場合と異なっています。

係数を求める展開の応用問題4

(18) \(\left( 1+x\right) \left( 2+2x\right) \left( 3+3x\right) \) を展開したときの \(x^{2}\) の係数を求めよ。

答え: \(18\)
展開の難問18解説
~ポイント~
「それぞれの式から項を一つずつ選び、それらを掛け合わせた結果、\(x^{2}\)の項ができるようにする。」←これをしたいがために、①から③までの3通りの計算をしていると思って解説を見てください。
係数を求める展開の応用問題5

(19) \(\left( 1+x\right) \left( 2+2x\right) \left( 3+3x+3x^{2}\right) \) を展開したときの \(x^{2}\) の係数を求めよ。

答え: \(24\)
展開の難問19解説
~注意~
「あれ?全部\(6x^{2}\)が登場していない?」と思って、その部分だけを覚えないでください。途中の計算部分の意味がわかりやすいように式を作った結果、たまたまそうなってしまいました。すみません。
次の問題はそのようにはなっておらず、かなり実践的です。
係数を求める展開の応用問題6

(20) \({\small \left( 1+x\right) \left( 1+x+x^{2}\right) \left( 1+2x+3x^{2}\right)} \) を展開したときの \(x^{2}\) の係数を求めよ。

答え: \(9\)
展開の難問20解説
~ポイント~
それぞれの式から項を一つずつ選び、それらを掛け合わせた結果、\(x^{2}\)の項ができるようにする。①から⑤までの計算式はその視点で作られたものだということがわかれば、とりあえず理解はOKです。
次はそれをスラスラ再現する練習をして完成です。慣れるまでは、解説の図を見ながら何度も口頭で説明するのが効率的です。
にゃんこ
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