三角形を重ねる規則性でも、「紙の分を全部足し、重なりに対応する分を引く」という考え方が使えます。ただし、面積と周の長さでは、必要になる辺や高さが違います。
このページでは、教材の問29・30を使って、直角二等辺三角形と正三角形を重ねた図形の面積・周の長さを解説します。平方根の計算や、相似な図形の面積比も確認しましょう。
問29|直角二等辺三角形を重ねる
直角を挟む2辺がともに6cmの直角二等辺三角形を使い、重なりが小さな直角二等辺三角形になるように貼り合わせます。小さい三角形の直角を挟む2辺はともに3cmです。n番目の面積と周の長さを、それぞれnを使った式で表しなさい。
nは図が何番目かを表す1以上の整数です。n番目には大きな三角形がn枚、隣同士の重なりがn−1か所あります。
大きい三角形の面積は、直角を挟む2辺を底辺と高さに使って、
\(6\times6\div2=18\)(cm²)
です。重なりの小さい三角形の面積は、
\(3\times3\div2=\dfrac92\)(cm²)
になります。
大きい三角形n枚分から、小さい三角形n−1個分を引くと、
\(18n-\dfrac92(n-1)\)
\(=18n-\dfrac92n+\dfrac92\)
\(=\dfrac{27}{2}n+\dfrac92\)(cm²)
答えは \(\dfrac{27n+9}{2}\) cm²です。\(\dfrac{27}{2}n+\dfrac92\) と書いても同じです。
一辺6cmの正方形を、一辺3cmの正方形が重なるように並べた図を考えます。その面積は、
\(36n-9(n-1)=27n+9\)(cm²)
です。問29の図形は、この正方形の並びを中央の横の線で半分にした形に当たります。
したがって、求める面積は、
\((27n+9)\div2=\dfrac{27n+9}{2}\)(cm²)
となります。三角形を1枚ずつ数える方法と、全体を半分にする方法を結び付けておきましょう。
直角二等辺三角形の辺の比は、\(1:1:\sqrt2\) です。大きい三角形の斜辺は \(6\sqrt2\) cm、小さい三角形の斜辺は \(3\sqrt2\) cmになります。
大きい三角形1枚の周は、\(6+6+6\sqrt2=12+6\sqrt2\) cmです。
重なる1か所では、小さい三角形の2本の斜めの辺に当たる長さ3cmずつと、底辺に当たる \(3\sqrt2\) cmが、紙ごとの周から除かれます。引く長さは \(6+3\sqrt2\) cmです。
\((12+6\sqrt2)n-(6+3\sqrt2)(n-1)\)
\(=12n+6\sqrt2n-6n-3\sqrt2n+6+3\sqrt2\)
\(=(6+3\sqrt2)n+(6+3\sqrt2)\)
\(=(6+3\sqrt2)(n+1)\)(cm)
答えは \((6+3\sqrt2)(n+1)\) cmです。\(6n+3\sqrt2n+6+3\sqrt2\) と展開しても同じです。
問30|正三角形を重ねる
一辺4cmの正三角形を使い、重なりが一辺2cmの正三角形になるように貼り合わせます。n番目の面積と周の長さを、それぞれnを使った式で表しなさい。

正三角形の頂点から底辺に垂線を引くと、底辺4cmが2cmずつに分かれます。斜辺4cm、横の辺2cmの直角三角形になるので、高さをh cmとすると、三平方の定理から、
\(h^2=4^2-2^2=12\)
\(h=2\sqrt3\)
です。30°・60°・90°の直角三角形の辺の比 \(1:\sqrt3:2\) を使っても、横2cmに対し高さ \(2\sqrt3\) cmと分かります。
大きい正三角形の面積は、
\(4\times2\sqrt3\div2=4\sqrt3\)(cm²)
です。小さい正三角形は一辺2cmなので、高さは \(\sqrt3\) cm、面積は \(2\times\sqrt3\div2=\sqrt3\) cm²です。
相似比が \(1:2\) なら面積比は \(1:4\) なので、小さい三角形の面積を \(4\sqrt3\times\dfrac14=\sqrt3\) cm²として求める方法もあります。
大きい三角形の面積は \(4\sqrt3\) cm²、重なりの面積は \(\sqrt3\) cm²です。
\(4\sqrt3n-\sqrt3(n-1)\)
\(=4\sqrt3n-\sqrt3n+\sqrt3\)
\(=3\sqrt3n+\sqrt3\)(cm²)
答えは \(3\sqrt3n+\sqrt3\) cm²です。\(\sqrt3(3n+1)\) cm²と書いてもかまいません。
大きい正三角形1枚の周は \(4\times3=12\) cmです。重なった小さい正三角形の3辺分、\(2\times3=6\) cmが、1か所につき外周から除かれます。
\(12n-6(n-1)\)
\(=12n-6n+6\)
\(=6n+6\)(cm)
答えは \(6n+6\) cmです。
学習のポイントと間違えやすい点
- 三角形の面積は底辺×高さ÷2:問29では直角を挟む2辺が底辺・高さとして使えます。問30では高さを求める必要があります。
- 相似比と面積比を区別する:辺が半分なら、面積は4分の1です。
- 周の補正には線の長さを使う:重なりの面積を、周の式から引かないようにしましょう。
- 重なりはn−1か所:n枚の紙に対し、隣り合う組はn−1組です。
- 面積の単位はcm²:平方根が付いていても、長さはcm、面積はcm²です。
例えばn=2なら、問29の面積は \(\dfrac{63}{2}\) cm²、周は \(18+9\sqrt2\) cm。問30の面積は \(7\sqrt3\) cm²、周は18cmです。1枚分を足して重なりを引いた値とも比べてみましょう。
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