正方形の紙を重ねて貼る規則性では、紙の枚数だけを見て面積や周を足すと、重なった部分まで何度も数えてしまいます。
このページでは、横や縦横に貼り合わせる基本2問と、斜めに重ねる3問の、計5問を解説します。まずはできあがった図形の長さを調べ、次に重なった部分をどう引くか考えましょう。
このページの5問|のりしろの基本から3重の重なりへ
問題番号は教材とそろえています。問題ごとに、紙の一辺の長さと重なる部分の大きさを確認してください。
- 一辺8cmの紙・のりしろ幅2cm:問24・横につなぐ長方形/問25・縦横につなぐ正方形
- 一辺6cmの紙を斜めに重ねる:問26・2cmの重なり/問27・3cmの重なり/問28・4cmの重なりと3重部分
のりしろの問題は、できあがった図形の長さから考える
のりしろとは、紙を貼り合わせるために重ねる部分です。幅2cmで重ねると、新しい紙を1枚加えても、紙1枚の8cm全部が横幅に加わるわけではありません。
問24・25では、一辺8cmの正方形を、幅2cmののりしろで貼り合わせます。nは図が何番目かを表す1以上の整数です。
周の長さは、できあがった図形の外側を1周した長さです。内部の紙の境目や、のりしろの線は加えません。面積は、重なった部分を二重に数えず、できあがった図形全体の広さを求めます。
問24|正方形の紙を右につないだ長方形
一辺8cmの正方形の紙を使い、のりしろの幅を2cmとして、右側に追加するように貼り合わせていきます。n番目の図形の周の長さと面積を、それぞれnを使った式で表しなさい。
n番目には、横一列にn枚の紙が並びます。縦は8cmのままなので、まず横幅を求めましょう。
紙を重ねずにn枚並べた長さは、\(8\times n=8n\) cmです。
紙2枚なら重なりは1か所、3枚なら2か所、4枚なら3か所……。紙がn枚のとき、重なりはn−1か所あります。
1か所につき2cm重なるので、横幅は、
\(8n-2(n-1)\)
\(=8n-2n+2\)
\(=6n+2\)(cm)
となります。例えば4番目なら、\(8\times4-2\times3=32-6=26\) cmです。
重なりの数をnか所として \(8n-2n\) としないようにしましょう。紙の間のつなぎ目を数えます。
最初の紙の横幅は8cmです。2枚目以降は、8cmのうち2cmを重ねるので、1枚増やすごとに横幅が \(8-2=6\) cmずつ増えます。
1番目からn番目までに紙を追加する回数はn−1回なので、
\(8+(8-2)(n-1)\)
\(=8+6(n-1)\)
\(=8+6n-6\)
\(=6n+2\)(cm)
です。4番目なら、\(8+6\times3=26\) cmになります。
図の下側のように、最初の8cmを「2cm+6cm」に分けると、端の2cmと、6cmずつのまとまりn組として見ることもできます。
\(2+6n=6n+2\)(cm)
どの見方でも横幅は同じです。答えだけでなく、式の8・6・2・n−1が、図のどの長さや回数に対応するかを確かめましょう。
できあがった図形は、縦8cm、横 \(6n+2\) cmの長方形です。
長方形の周の長さは「(縦+横)×2」なので、
\(\{8+(6n+2)\}\times2\)
\(=(6n+10)\times2\)
\(=12n+20\)(cm)
答えは \(12n+20\) cmです。図の外側だけをたどっているので、内部ののりしろの線は足しません。
長方形の面積は「縦×横」なので、
\(8(6n+2)\)
\(=48n+16\)(cm²)
答えは \(48n+16\) cm²です。
4番目の横幅は26cmなので、周は \((8+26)\times2=68\) cm、面積は \(8\times26=208\) cm²です。n=4をそれぞれの式に入れた値とも一致します。
問25|縦横に貼り合わせた大きな正方形
一辺8cmの正方形の紙を使い、のりしろの幅を2cmとして、大きな正方形になるように貼り合わせていきます。n番目の図形の周の長さと面積を、それぞれnを使った式で表しなさい。
2番目は縦2枚・横2枚、3番目は縦3枚・横3枚……と並びます。n番目では、縦横それぞれn枚ずつの並びです。
横一列に注目すると、問24と同じく、8cmの紙を幅2cmで重ねてn枚つないでいます。
したがって、横幅は、
\(8n-2(n-1)=6n+2\)(cm)
です。増える長さを使って、\(8+6(n-1)=6n+2\) と考えてもかまいません。
縦方向も同じ貼り合わせ方なので、できあがった正方形の一辺は \(6n+2\) cmです。
n番目の紙の総枚数はn²枚ですが、一辺の長さを求めるときは、その方向に並ぶn枚を見ています。全体の枚数と、一列の枚数を区別しましょう。
正方形の周の長さは「一辺×4」です。
\((6n+2)\times4\)
\(=24n+8\)(cm)
答えは \(24n+8\) cmです。
問24では縦の長さが8cmのままでしたが、問25は縦も横も \(6n+2\) cmになります。できあがった図形を確認してから公式を使いましょう。
正方形の面積は「一辺×一辺」なので、
\((6n+2)(6n+2)\)
です。分配法則で4つの掛け算をすると、
\((6n+2)(6n+2)\)
\(=36n^2+12n+12n+4\)
\(=36n^2+24n+4\)(cm²)
答えは \(36n^2+24n+4\) cm²です。\((6n+2)^2\) と表しても同じ面積になります。
例えば2番目は、一辺が \(6\times2+2=14\) cmです。周は \(14\times4=56\) cm、面積は \(14\times14=196\) cm²になります。
問24と問25の違いを整理する
| 比べる点 | 問24 | 問25 |
|---|---|---|
| できあがる形 | 長方形 | 正方形 |
| 縦 | 8cm | 6n+2cm |
| 横 | 6n+2cm | 6n+2cm |
| 周の長さ | 12n+20cm | 24n+8cm |
| 面積 | 48n+16cm² | 36n²+24n+4cm² |
横幅の式が同じでも、縦の長さが違うため、周と面積の式は変わります。スマートフォンでは、必要に応じて表を横に動かして見てください。
問24・25で気を付けたいこと
- 重なりはn−1か所:横一列に紙をn枚つなぐとき、紙と紙のつなぎ目はn−1か所です。
- 増える横幅は6cm:追加した紙の8cmから、のりしろの2cmを引きます。
- 周は外側だけ:内部に見える紙の境目や、重なりの線を加えません。
- 面積を求める前に縦横を確かめる:問24は8×(6n+2)、問25は(6n+2)×(6n+2)です。
- 単位を区別する:長さと周はcm、面積はcm²です。
1番目はどちらも一辺8cmの正方形なので、周は32cm、面積は64cm²です。n=1を式に入れて確かめると、定数部分の間違いにも気付きやすくなります。
斜めに重ねる問題へ|紙の大きさと重なり方を確かめる
ここからの問26〜28では、紙の一辺が8cmから6cmに変わります。また、幅2cmの帯状ののりしろではなく、正方形の角を斜めに重ねて貼ります。
隣り合う紙の重なりは、順に一辺2cm・3cm・4cmの正方形です。全体の形が階段状になるので、面積は重なった広さ、周は外側でなくなる線に注目しましょう。
面積と周の長さでは、引く量を区別する
一辺6cmの正方形1枚の面積は \(6\times6=36\) cm²、周の長さは \(6\times4=24\) cmです。nは図が何番目かを表す1以上の整数で、n番目には紙がn枚あります。
この図のように紙を1枚ずつ斜めに貼り足すとき、隣り合う紙の組はn−1組です。まず、紙ごとに数えた面積や周から、重なりに対応する分を引いてみましょう。
周で数えるのは、できあがった図形の外側だけです。内部に残る紙の線は加えません。
問26|一辺2cmの正方形が重なる場合
一辺6cmの正方形を使い、重なりの部分が一辺2cmの正方形になるように貼り合わせます。n番目の図形の面積と周の長さを、それぞれnを使った式で表しなさい。

紙1枚の面積は36cm²なので、n枚分を足すと36ncm²です。ただし、重なりの部分を2回数えています。
重なり1か所の面積は \(2\times2=4\) cm²で、n−1か所あります。
\(36n-4(n-1)\)
\(=36n-4n+4\)
\(=32n+4\)(cm²)
答えは \(32n+4\) cm²です。
図のように分けると、32cm²ずつの部分がn組と、端の4cm²として見ることもできます。式は \(32n+4\) です。
最初の36cm²に、紙を追加するたび \(36-4=32\) cm²ずつ増えるとして、\(36+32(n-1)\) と考えても同じです。
紙1枚の周は24cmなので、n枚の周を全部足すと24ncmです。
隣り合う紙の重なりでは、一辺2cmの小さな正方形の4辺に当たる線が内部に入り、外周ではなくなります。引く長さは、1か所につき \(2\times4=8\) cmです。
\(24n-8(n-1)\)
\(=24n-8n+8\)
\(=16n+8\)(cm)
答えは \(16n+8\) cmです。
外側の線を図のように分け、16cmずつのまとまりと両端の分に注目しても、\(16n+8\) cmと求められます。増え方で見るなら、\(24+16(n-1)\) です。
問27|一辺3cmの正方形が重なる場合
一辺6cmの正方形を使い、重なりの部分が一辺3cmの正方形になるように貼り合わせます。n番目の図形の面積と周の長さを、それぞれnを使った式で表しなさい。

重なり1か所の面積は \(3\times3=9\) cm²です。紙n枚分から、n−1か所の重複を引きます。
\(36n-9(n-1)\)
\(=36n-9n+9\)
\(=27n+9\)(cm²)
答えは \(27n+9\) cm²です。3番目なら、\(36\times3-9\times2=90\) cm²になります。
重なりの小さな正方形の4辺分は、\(3\times4=12\) cmです。この部分は外周ではないので、紙ごとの周から引きます。
\(24n-12(n-1)\)
\(=24n-12n+12\)
\(=12n+12\)(cm)
答えは \(12n+12\) cmです。面積で引いた9と、周で引く12を混同しないようにしましょう。
問28|一辺4cmの重なりと、3重の部分がある場合
一辺6cmの正方形を使い、隣り合う紙の重なりが一辺4cmの正方形になるように貼り合わせます。3重に重なった部分は一辺2cmの正方形です。n番目の図形の面積と周の長さを、それぞれnを使った式で表しなさい。

紙n枚の面積を足すと36ncm²です。隣り合う紙の重なりは一辺4cmなので、1か所の面積は16cm²になります。
ここで、3重の部分に注目します。紙の面積を全部足したとき、この部分は3回数えています。隣同士の重なりをそれぞれ引くと、この部分は2回引かれ、1回分が残ります。
例えば3枚では、1枚目と2枚目の重なり、2枚目と3枚目の重なりの両方に3重部分が入っています。3回数えたものから2回分引くので、正しく1回分になります。
したがって、隣り合うn−1組について16cm²ずつ引けば、
\(36n-16(n-1)\)
\(=36n-16n+16\)
\(=20n+16\)(cm²)
答えは \(20n+16\) cm²です。3番目なら、\(108-32=76\) cm²です。
この式で引いているのは隣同士の重なりだけです。3重の部分も2回分引かれるため、ここでさらに4cm²を足し戻す必要はありません。引いた後に何回分残るかを確かめましょう。
右に紙を1枚追加すると、その紙36cm²のうち、直前の紙と重なる16cm²はすでに図形に含まれています。新しく増えるのは \(36-16=20\) cm²です。
\(36+20(n-1)=20n+16\)(cm²)
図のように、最初の36cm²を16cm²と20cm²に分ければ、端の16cm²と20cm²ずつn組、つまり \(16+20n\) とも表せます。
紙ごとの周の合計は24ncmです。図の色の付いた線を比べると、隣り合う紙をつなぐたび、一辺4cmの小さな正方形の4辺分、16cmが外周から除かれます。
\(24n-16(n-1)\)
\(=24n-16n+16\)
\(=8n+16\)(cm)
答えは \(8n+16\) cmです。最初の24cmから8cmずつ増えるとして、\(24+8(n-1)\) と考えても同じです。
面積の式にも16が出ますが、面積では4×4による16cm²、周では4×4による16cmです。数値が同じでも意味と単位は違います。
3つの重なり方を比べる
| 問題 | 重なる正方形の一辺 | 面積 | 周の長さ |
|---|---|---|---|
| 問26 | 2cm | 32n+4cm² | 16n+8cm |
| 問27 | 3cm | 27n+9cm² | 12n+12cm |
| 問28 | 4cm | 20n+16cm² | 8n+16cm |
スマートフォンでは、必要に応じて表を横に動かして見てください。重なりが大きいほど、紙を1枚増やしたときに増える面積・周の長さは小さくなります。
学習のポイントと間違えやすい点
- 面積と周で引く量を変える:一辺s cmの重なりなら、面積はs²cm²、周の補正は4s cmに注目します。
- 隣り合う組はn−1組:紙の枚数と、つなぎ目の数を区別します。
- 3重の部分は数えた回数を追う:3回数え、2回引けば1回分が残ります。
- 周は外側の線だけ:内部の紙の境目を足さないようにしましょう。
- n=1でも確認する:どの式も面積36cm²、周24cmになります。
パターン別に学習したい&印刷したい方へ




























\((6n+2)^2\) を \(36n^2+4\) にしないように。
6n×2と2×6nによる12nが、それぞれ1つずつ出ます。合わせて24nの項を忘れずに書きましょう。