平方根の日常生活での例|カメラのF値での平方根の活用例を紹介

平方根の日常生活での活用例

にゃんこ
このページでは、「平方根が身の回りの日常生活においてどのように活用されているか」についての具体例をレポートの参考用に紹介します。
坂田先生
今回の例を理解することで、それ以外の「平方根の日常生活での例」を発見しやすくなります。
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平方根が日常生活で使われている例(カメラ)

坂田先生
平方根が日常生活で使われている例としてカメラをあげることができます。
カメラのF値

カメラはシャッターボタンを押した際に光を取り込んで撮影します。

この光の量をどれだけ取り込むかという調節をすることで写り方を変えることができます。

また、カメラのレンズには穴の大きさを調整する絞り値(F値)というものがあります。

このF値を変更することで写り方を変えることができるのですが、F値はこのようになっています。

F1.0
F1.4
F2.0
F2.8
F4.0
F5.6
F8.0
にゃんこ
なんだか各段階ごとに中途半端な上がり方になっていますね。
坂田先生
実はここに平方根が使われています。
にゃんこ
具体的には\(\sqrt{2}\)の近似値(だいたいの値)である1.4が使われています。
F値のまとめ
にゃんこ
穴の大きさを調整する絞り値(F値)がなぜこのように段階を上げるごとに\(\sqrt{2}\)倍になっているのか。
坂田先生
それを理解するために、シンプルな紙の面積の例で説明します。
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平方根を日常生活で活用する具体例(面積の大きさ)

にゃんこ
ある紙があり、その広さを2倍にしたいと考えたとしましょう。
坂田先生
それについて平方根を活用する話になります。
縦aセンチメートル
横bセンチメートル

の紙の面積(広さ)は

ab平方センチメートルです。

では、「この2倍の面積は?

と質問されたら、当然「2ab平方センチメートルです」と答えますね。

では、「面積が2ab平方センチメートルになるためは、縦と横の長さは何であればいいですか?

と質問されたら次のような回答が出ることでしょう。

縦aセンチメートル
横2bセンチメートル
面積\(a\times 2b=2ab\)平方センチメートル
坂田先生
これは、横の長さを2倍にするという方法です。
縦2aセンチメートル
横bセンチメートル
面積\(2a\times b=2ab\)平方センチメートル
にゃんこ
このように、縦の長さを2倍にしてもいいです。
坂田先生
縦も横も何倍かしてください、という条件が付いたら、例えばこのような回答になります。(無限にあります)

縦1.5aセンチメートル
横\(\dfrac{4}{3}b\)センチメートル
面積\(1.5a\times \dfrac{4}{3}b=\dfrac{15}{10}a\times \dfrac{4}{3}b=2ab\)平方センチメートル

にゃんこ
では、縦も横も同じ値をかけてください、という条件が付いたら、答えはこれしかありません。

縦\(\sqrt{2}a\)センチメートル
横\(\sqrt{2}b\)センチメートル
面積\(\sqrt{2}a\times \sqrt{2}b=2ab\)平方センチメートル

坂田先生
これは「縦も横もx倍して面積が2倍になる」という方程式を作れば、xを求めことができます。
\(ax\times bx=2ab\)
これが方程式ですね。
左辺を整理すると
\(abx^{2}=2ab\)
aもbも0ではないので、abは0ではありません。
なので両辺をabで割ると
\(x^{2}=2\)
xは正の数なので
\(x=\sqrt{2}\)
と、求めることができます。

xが正の数であるという理由:xが負の値であったら、それをかけあわせてできた縦、横の長さは負の数になります。長さが負の数になることは現実世界では考えられないので、負の数は除外するということです。)

坂田先生
ここまでは大丈夫でしょうか。
にゃんこ
ここからはカメラの活用例に話を近づけていきます。
坂田先生
穴の大きさを調整する絞り値(F値)は、正方形や長方形ではなく円の形をしていますので、円の面積についても見ていきましょう。
絞り値4つ
にゃんこ
ここまでの考え方を円の面積にも当てはめることができます。
円の面積と平方根

円の面積は、半径×半径×円周率なので、半径を\(\sqrt{2}\)倍すると、面積は2倍になります。

半径をr、円周率をπとして、確認してみましょう。

半径を\(\sqrt{2}\)倍する前の円の面積
\(r\times r\times \pi =\pi r^{2}\)

半径を\(\sqrt{2}\)倍した後の円の面積
\(\sqrt{2}r\times \sqrt{2}r\times \pi =2\pi r^{2}\)

ちゃんと面積は2倍になっていますね。

にゃんこ
ここでお伝えしたかったのは、F値1段違う(\(\sqrt{2}\)倍違う)と、取り込む光の量は2倍違うというイメージです。
坂田先生
このように、F値を1段上げるごとに
F1.0
↓\(\sqrt{2}\)倍
F1.4
↓\(\sqrt{2}\)倍
F2.0
↓\(\sqrt{2}\)倍
F2.8
↓\(\sqrt{2}\)倍
F4.0
↓\(\sqrt{2}\)倍
F5.6
↓\(\sqrt{2}\)倍
F8.0
坂田先生
という具合にF値は\(\sqrt{2}\)倍ずつ大きくなっていきます。
にゃんこ
また、これは「取り込む光の量をどれだけ絞るか」という値ですので、この値が大きいほど、それだけ光を取り込まないようにしぼっているとイメージしてください。
カメラのf値と光の量

にゃんこ
F値を一段階下げるごとに、穴の面積が2倍ずつ大きくなっていく、つまり、光を取り込む量が2倍ずつ大きくなっていきます。

カメラのF値には、このように平方根が使われています。

カメラの例から学べる平方根の活用例

坂田先生
ここまでに学びをまとめると、以下のようになります。
にゃんこ
これを理解することで、日常生活に潜む様々な平方根の活用例を見つけることができるでしょう。
学びのまとめ

1:正方形や長方形の面積をn倍にしたい場合、縦、横の長さをともに\(\sqrt{n}\)倍すればよい。

2:円の面積をn倍にしたい場合、半径の長さを\(\sqrt{n}\)倍すればよい。

3:三角形や平行四辺形の面積をn倍にしたい場合、高さ、底辺の長さをともに\(\sqrt{n}\)倍すればよい。(同じ方法で確認できます)

発展テーマ:3乗根(立方根)

以上のように、平方根の活用例は面積に関する話になりましたが、3乗根(高校で学習します)は体積をテーマに活用例を考えることができます。

例:ある立方体の体積を2倍にしたい場合、縦a、横b、高さcの長さをそれぞれ\(\sqrt[3] {2}\)倍すればよい。

すると体積は\(\sqrt[3] {2}a\times \sqrt[3] {2}b\times \sqrt[3] {2}c=2abc\)となり、元の体積abcの2倍となる。

※円錐でも球体でも同じように考えることができます。