相似比とは何か?平面図形と立体の相似比まとめ一覧

相似比とは

にゃんこ
このページでは、相似比とは何かについて深く理解できるように、ていねいに解説しています。
坂田先生
このまとめ図⇓をすべて理解できるようにわかりやすく説明します。
相似比1:2一覧相似比2対3一覧立体の相似比まとめ
このページの内容
  1. 相似比とは何か?三角形、四角形、円の3例で説明
  2. 円の相似比
  3. 相似比とは何かについてのまとめ(平面図形)
  4. 立体の相似比一覧|円錐や球、立方体など
  5. 相似比だと勘違いしやすい2辺の比との違い|両方使えると便利
広告

相似比とは何か?三角形、四角形、円の3例で説明

相似比とは、相似な図形の大きさの比率を表したものです。

大きさの比は、対応する部分の長さの比を調べると、それがそのまま大きさの比(相似比)になります。(まだ意味がわからなくてもOK)

坂田先生
まずは、具体例と一緒に見たほうがわかりやすいので、さっきのまとめ図から順番に説明していきます。
三角形の相似比の例
にゃんこ
この2つの三角形は相似(形が同じで大きさが違う関係)です。
1対2の相似な三角形

2つの三角形を見比べてみると、左と比べて右が2倍の大きさになっています。

それぞれの辺の長さがすべて2倍になっていますね。

こんなとき、△ABCと△DEFの相似比は1:2であると言えます。

にゃんこ
また、これも相似比が1:2の三角形を表しています。
1対2の三角形文字のみ

ただし、それぞれの辺の長さは、これだけでは不明です。

左の三角形では長さがaの辺は、右の三角形では長さが2a(つまりaの2倍の長さ)になっています。

b、cも同じように、それぞれ2倍ずつの長さである2b、2cになっていることがわかります。

坂田先生
こんな図が問題に出た場合は、「それぞれの辺の長さは不明だけれど、ともかく右側の各辺の長さが2倍になっているんだな」と読み取ってください。

左と右で、相似な図形の大きさの比率が1:2になってるので、相似比は1:2になります。

四角形の相似比の例
にゃんこ
この2つの四角形は相似です。
相似な四角形の図

これもまた、各辺の長さが左と右で1:2になっています。

なので、左の四角形と右の四角形の相似比は1:2になります。

この四角形を使って、「各辺の長さは不明だけれど、相似比が1:2であることを表す図」を書くとこうなります。

相似な四角形の図2

このように、同じ長さの辺には、同じ文字aを使います。

円の相似比の例
にゃんこ
円の相似比も同じように考えます。
相似な円の図1

右の円の半径、直径、円周の長さが、左の円と比べてそれぞれ2倍になっています。

半径の長さの比は1:2
直径の長さの比は4:8(つまり1:2)
円周の長さの比は4π:8π(つまり1:2)

にゃんこ
どこを見ても、同じ比(1:2)になります。

円の大きさの比率が左と右で1:2になっています。

なので、左の円と右の円の相似比は1:2です。

次に、「半径が不明だけれど、ともかく相似比が1:2になっている二つの円」を表すとこうなります。

相似な円の図2

半径が不明なので、直径も不明となり、円周も不明となります。

半径をaと表すと、直径はその2倍の2aとなり、さらにπをかけた2πaが円周になります。

坂田先生
ここまでの内容を一覧にするとこうなります。
相似比1:2一覧

にゃんこ
続いて、相似比が2:3の場合を見てみます。
相似比2対3一覧

坂田先生
特に、四角形と三角形だけを見てみましょう。
四角形と三角形の相似比まとめ

にゃんこ
どれを見ても、相似な図形の対応する辺の長さが2:3になっていますね。

三角形の赤色の部分の辺の長さは「5:7.5」ですね。

このような小数の比を簡単にする手順はこうなります。

小数の比を整理する3つの方法

また辺の長さが「2a、3a」など、文字で表してある図形は、こう見るといいでしょう。

各辺の長さが2対3

このように「基準となる長さa、b、cがあり、その長さが何個分あるかを表した図」だと思うとわかりやすいと思います。

広告

円の相似比

それでは円の相似比について、同じように見ていきましょう。

にゃんこ
これは、相似比が2:3の二つの円を表しています。

半径が2の円と半径が3の円2対3の円の相似比の図円の相似比

半径も直径も円周もすべて2:3になります。

坂田先生
4π:6πが2:3だとわかりにくい場合はこのように整理してください。
円周の比が相似比

このように、対応する部分の長さを比べることができれば、相似比(相似な図形同士の大きさの比率)がわかるというワケです。

円の半径が不明だけれど、相似比が2:3であることがわかっている場合は、このような図になります。
円の相似比2対3文字のみ

円の半径をそれぞれ2aと3aとおくことで、半径の比が2:3である二つの円になっています。

直径は半径の2倍なので、それぞれ4aと6aになり

円周は直径に円周率をかけた値なので、それぞれ4πaと6πaになります。

にゃんこ
ここまでの円の相似比のまとめ図です。
円の相似比まとめ

相似比とは何かについてのまとめ(平面図形)

にゃんこ
ここまでの内容をまとめてみましょう。

相似比とは、形が同じ図形同士の大きさの比を表したものです。

相似比1:2一覧相似比2対3一覧
にゃんこ
このように相似比は、対応する辺の長さの比を調べればわかります。
坂田先生
相似な図形同士の対応する部分の長さであれば、どこでもOKです。
にゃんこ
例えば三角形の高さでも大丈夫です。
三角形の高さの比

この相似な三角形は、高さの比が2:3なので、相似比も2:3ですね。(ただし、2つの図形が相似だとわかっていないと使えません)

にゃんこ
円周でもOKでしたね。
2対3の円の相似比の図円の相似比

円周の長さが2:3なので、相似比も2:3になります。(円と円はそもそも相似になっているので、相似であるかどうかの確認は必要ありません)

にゃんこ
この考え方は、立体図形の相似比でもまったく同じです。
広告

立体の相似比一覧|円錐や球、立方体など

立体の相似比も、相似な立体同士の大きさの比率を答えればよいです。

そしてその比率は、平面図形の場合と同じように、対応する部分の辺の長さの比を見ることでわかります。

坂田先生
例えばこれらはすべて、2:3の相似比になっている立体図形です。
立体の相似比まとめ
にゃんこ
対応する部分の辺の長さの比はすべて2:3になっています。
相似な四角錐と相似な四角柱相似な四角錐と相似な四角柱
相似な円錐と相似な円柱相似な円錐と相似な円柱
相似な球相似な球

平面図形であろうと立体図形であろうと、相似な図形同士の、対応する部分の辺であれば、その長さの比が相似比になります。

坂田先生
たとえば母線の長さの比であっても、はたまた対応する対角線の長さの比であっても相似比になります。
母線や対角線の長さの比

相似比1:2一覧相似比2対3一覧立体の相似比まとめ

相似比だと勘違いしやすい2辺の比との違い|両方使えると便利

坂田先生
ここからは、さらに相似な図形を得意にするために「三角形の2辺の比」について解説します。
にゃんこ
まず、この問題を見てください。
問題

次の相似な三角形について?を求めよ。(それぞれの値は辺の長さを表すものとする)
相似比の例題説明用

坂田先生
このページの最初に登場した図を使って問題を作りました。
相似比を利用するという説明
坂田先生
相似な図形は、対応する辺の長さの比がみな同じ(この場合はすべて1:2)だったことを思い出してください。
にゃんこ
この比例式をつかって、方程式を作ります。
相似比で立式する
坂田先生
これで比例式ができました。これを解きます。
相似比の立式を解く
にゃんこ
ちゃんと8が求まりましたね。

今度は相似比ではなく、三角形のとなり合う2辺の比を利用して解いてみます。

となり合う2辺の比で解く説明図1

赤色と緑色の辺の長さの比は、この三角形の場合は5:4になっています。

「相似な図形のとなり合う2辺の比はそれぞれ等しい」という性質を使いました。

これを利用して、比例式を作ったということです。

ただしこの方法には注意点が2つあります。

1:これは相似比ではありません。相似な図形の大きさの比(1:2)とは別の比になっていますよね。

2:選ぶ2辺によって、となり合う2辺の比は変わります。

にゃんこ
特に2は重要です。
坂田先生
ためしに青色と緑色の辺の比を使って解いてみます。
となり合う2辺の比で解く説明図2

赤色緑色の辺の長さの比が5:4だったのに対して

青色緑色の辺の長さの比は3:2になっていますね。

この方法を使う場合、相似比を使って解いているわけではない、ということは理解しておきましょう。

ちなみに「となり合う2辺の比」「三角形の3辺の割合」も言葉は違いますが、同じことを表した言葉だと思ってください。

(実は、中学数学で最後のほうに学習する「三平方の定理」でも、「三角形の3辺の割合」が登場します。)

今みたいな問題を解くときに、「相似比」と、「3辺の割合(となり合う2辺の比)」を両方使えると、(大きな値でない限り)かなり暗算で解くことができます。

その方法はまた別のところで解説します。(限られた試験時間に少しでも余裕を作りたい方は習得していってください。)